2022年

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ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百三十二話【フォーアームズ】

真っ直ぐラナナに向かっていくタウン。しかしその道の途中で急停止し、左に90度ほど体を向け左手の剣で横方向に切り払う。 すると剣は白い光弾を弾き飛ばした。攻撃の主は湖張。ラナナに迫るタウンに向けて覇王拳を放っていた。 「正確な狙いだな」 ニヤッとしながら評価をするタウン。そんな彼に対して躊躇することなく飛び込み畳んだ鉄扇で縦方向に打撃を仕掛ける湖張。しかしすんでの所で避けられる。そこですぐさま切り返 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百三十一話【もめごと】

「これはどういう事だ?」 5m程離れた距離でタウンがラナナに向かって問いかける。眼差しは強い。しかしラナナは威圧に負けない様子でため息を一つ。そして答える。 「どうもこうも無茶苦茶ですね。私たちはグリーンドラゴンの異変を感じ取り調査にきていただけです。むしろそちらの人がそこに倒れているグリーンドラゴンを狩っていたのですよ?」 冷たい視線を男に視線を向けるラナナ。寧ろ睨むようにといった表現の方が近い […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百三十話【グリーンドラゴンを狩る者】

研究所を出てから、山の上の方を目指す一行。特に手掛かりは無いのだが、とりあえず道に沿って登る事にした。 研究所の人々が作ったのか登山道のようなものがあり予想外に進み易く、とりあえず頂上まではそれほど時間がかからず到達できそうである。 「頂上まで登れば何か分かるかな?」 上の方を見上げながら問いかける湖張。レドベージュは彼女に視線を向ける。 「分からぬ。そんなに都合よく事が運ぶとは思えぬが、当てがな […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百二十九話【研究員の話】

木でできた建物の中に入ると、まずそこは広めの空間であった。カウンターの他に6人掛けのテーブルもあり、この場でミーティングもできそうではある。研究所とされてはいたものの雰囲気としては宿屋のような感じではあった。 「ここが研究所なんですね」 窓から光が差し込み、明るい雰囲気の部屋を見渡しながら湖張が話しかけると、研究員の男性は左手を広げテーブルの方に向けて案内をする素振りを見せながら答える。 「ええ、 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百二十八話【山のふもとの家】

その後は各々が穏やかに過ごし、何事もなく一日が過ぎていった。湖張は読書に慣れていないせいか、途中で二度ほど昼寝を挟んだものの、何だかんだで本を読み切ることが出来た。レドベージュはその様子に何も言わず、ただ温かく見守っていた感じだ。 一方ラナナは槍の分析をしてはいたものの、あまり成果は上がらなかった。なんとなく前日の疲れが残っていたようなので、集中できなかったことも原因のようだった。なので途中からは […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百二十七話【病み上がりの宿屋】

ゆっくりと窓を開けると、温かさを交えた心地よい風が穏やかに入ってくる。優しい日の光が部屋を照らし始めると、新しい朝が来たことを実感できる。 「良い天気だね」 ベッドから離れ、窓に向かってゆっくりと歩きだす湖張。熱が完全に引いたようで穏やかな顔をしている。昨夜は深く眠ることが出来た事もあって、すっかり元気を取り戻したようであった。しかしその彼女の行動を制止するようにレドベージュは前に立つ。 「こらこ […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百二十六話【看病】

「戻りました、湖張姉さま」 眠っていたらいけないと思い、そっと扉を開けて中の様子を伺いながら、小さく呼びかけるラナナ。魔法で飛んで帰ったお陰で日暮れ前には宿に戻ることが出来た。 「あ、お帰り」 返ってきた二人に気がついた湖張は普通の口調で声をかける。起きられない状態だと思い急いで帰ってきたのだが、実際の所はベッドから体を起こしており、辛そうな表情などなく普通の様子に見える。 「あれ?え?」 まるで […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百二十伍話【南の森のユカリ】

王都フィルサディアを出てしばらく南下すると、うっそうとした森が見えてくる。大きな山に隣接しているのも特徴的で、いかにも何かが出てきそうな雰囲気を出していた。 「勢い任せに飛び出しては来ましたが、ここまで広大だとどこにカテ草が生えているのか探すのも一苦労になりそうですね」 目の前の現実にうっすらと不安を口に出すラナナ。 「うむ、そうだな。それもあって我も同行したのだ。まあカテ草はこの森に生えている植 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百二十四話【湖張の病状】

「お水を持ってきました!」 宿屋の扉を慌てながら開けるラナナ。部屋の中にはベッドで横になる湖張とその傍らにレドベージュが心配そうに立っている。 熱があると判明してからは急ぎ足で目的地であるフィルサディアまで向かい、すぐさま宿をとり湖張を横にした。 何とか楽な服装に着替えさせた後にレドベージュは診察を行うことにした。その間にラナナは水やその他必要そうなものを急いで集めに出かけており、先ほど返ってきた […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百二十三話【タウン・アッシャー】

山の中の村から離れ、王都フィルサディアに向かう一行。メーサ教の騎士たちはロダックの処理に追われ、本日も村に滞在しそうな雰囲気であった。 村の付近のロダックだけではなく、昨日遠征にて倒したロダックも処理をする予定とのことだ。 山を下りると道中は穏やかで、風もなく歩きやすい環境であった。 王都の近くという事が影響しているのだろうか、整備された平坦な道はとても歩きやすく作られている。 道中に綺麗な鳥が可 […]