「・・・とりあえず、取っちめて何でここにいるのか聞き出そうか?」 半分呆れた顔で湖張がレドベージュに尋ねると、ラナナが少し慌てた素振りを見せる。 「え?いきなりですか!?確かに柄が悪そうではありますが、いきなり襲撃するのですか?」 「あーそっか、ラナナは知らないんだった。 昨日さ、今まで何があったかを話したでしょ? その時に出てきた山賊いたじゃない?それがあの人たちなの」 頭を掻きながら湖張が説明 […]
塔の最上階に30分ほど滞在をすると、一行はその場から離れることにした。 予想ではラナナは長時間滞在したがるものだと考えていたのだが、意外にもあっさりと満足したようである。 急に涙が溢れだした事が影響しているのかもしれないが、 それでも彼女は満足そうな顔をしているので問題は無いようだ。 帰りの道のりは行きとは違い、宿泊先である例の宴会好きな村に向かっていた。 もちろんラナナと出会った街に戻る事も可能 […]
「結構急な上り坂じゃない?」 行き先を見つめながらそうぼやく湖張。 と言うのも目の前には手をついて這い上がらないと行けなさそうなくらい急こう配な、 坂と呼んでもいいのか分からないくらいの上り坂が立ちはだかっていたからだ。 街を出てからの道のりは順調で、目的地の塔がある山への麓へは予定通りの時間で到着することが出来た。 そして後は山を登るだけの位置なのだが、この有様である。 「うむ、昔はこんな感じで […]
夜が明けて日が昇り始める早い時間に宿屋の扉がゆっくりと開く。 そこには湖張たちの姿があった。 というのも目指す塔は近い位置とはいえ、目的地への到着を午前中にするにはこの時間から出発しなくてはならなかったからだ。 しかしながらラナナは相当楽しみで有った様子で、直ぐに目が覚めてしまったようだ。 今日の早起きは特に問題がなさそうである。 「何か面白い荷物の持ち方だね」 宿屋を出るなり、ラナナに話しかける […]
「ただいまー」 部屋の扉をゆっくりと開ける湖張。 二人と別れてからの湖張は、とりあえず出店で美味しそうなものを探していた。 焼き鳥やフルーツの出店などを見て回り、様々な食べ物に誘惑されながらも選んだものはクリームパンであった。 それを作っているパン屋は街の中でも評判の良い店らしく、行き交う人々の中にもクリームパンを持っている姿を見る事があった。 更には店の前を通った時には数人がパンを購入するために […]
宿屋への帰り道も、湖張とラナナは楽しそうに会話をしながら歩いていた。 ラナナに対する第一印象は一応警戒されていたという事もあるのだろうが、隙の無いタイプの人間という感じではあったが、 いざ話してみると親しみやすく、妙に話しやすい相手であった。 「メーサ教・・・ですか?」 帰り道で話した内容は、今まで赤き聖者として旅をしていた中で起きた事が主なものであった。 その中でメーサ教について何か知らないかと […]
「おーい!もういないのかなー?」 水辺に向かって大声で問いかける湖張。 しかし彼女の声に反応する事もなく、先ほどまでわらわらと湧いて出てきていたダイアントの姿を見る事は無かった。 「これで終わりなのでしょうか? 少し気になる事があるのですよね。というのも兵隊役以外のダイアントはまだ巣の中にいるのではないのでしょうか?」 ダイアントの存在自体は知ってはいたものの詳しい生態までは知らないので、男性にそ […]
「おー出てきた出てきた。やっぱり音に反応するんだね」 そう呑気に言いながらダイアントを確認する湖張。 しかし次の瞬間には真剣な表情に変わり、左手で光の玉を上空に放り投げる。 そして次に右手を前方にかざして目の前に光の玉を発生させると、迫ってくるダイアントに狙いを定める。 「サンダークロス!」 彼女がそう声を発すると目の前の光の玉から5本の稲妻が発生し、それぞれがダイアントに突き刺ささる。 更には上 […]
「はぁ!?何あれ!?」 男性に向かって走っていた湖張は思わずそう声を上げると、男性も虫に気づき声を上げる。 「うわぁぁぁ!しまった!!」 体勢を崩しながらもその場から離れようとする男性。 しかし虫は男性に向かって襲い掛かろうと素早く迫ってくる。 「ひえええええ!!」 悲鳴を上げる男性。断末魔にも近い声を上げるが虫は無慈悲にも襲い掛かってくる。 と、そのタイミングで男性のもとに駆け寄ってきた湖張は虫 […]