ハルザートの忠告の通り、夜が明けてから早々に町を後にした一行。 特にやましい事が有るわけでは無いのだが、いらないトラブルを避けるためである。 町長には昨夜のうちに挨拶を済ませたところ、朝が早い時間にもかかわらず律義にも町中の住人が総出で見送ってくれた。 感謝をしてもしきれない程の事をしてもらったのだが、大した礼も持て成しもできなかったので、せめて町中で見送らせて欲しいとの事だった。 本日の天気は曇 […]
町に戻り様子を確認すると、更なるイーサラスの襲来も無ければ町民がパニックを起こしている様子もない。 つまりはハルザートが懸念していた事は一切ない様子であった。 なので湖張達は特に行く場所もないので診療所に戻る事にした。 ラナナは再び宿に戻り槍の調査を再開しようかとも考えたのだが、今日は止めることにした。 というのも、数人のメーサ教の騎士が街の中を行き来しており、何らかの理由で槍を所有している事がバ […]
「中々のお手前で」 ハルザートが剣を払って鞘にしまう動作の途中で、後ろから話しかける湖張。 「フッ湖張も随分と腕が立つようだが」 とても小さな笑みを見せながら返すハルザート。 「言ったでしょう、腕っぷしは強いって」 「腕っぷしとは言っても、決して腕力が強いわけではあるまい?」 そう言うなり団扇に視線を移すハルザート。 「随分と変わった武器だな」 「まあね」 「湖張の武術はその武器を使うのか?」 苦 […]
メーサ教の騎士に連れられて町の外に出た湖張達。方角は南側。天気は快晴になっていた。 問題のイーサラスは500m程先におり、全速ではないにせよ、早めの歩行速度でこちらに向かってきている。 「てっきり町のそばに来ていると思ったけど、まだ距離があるね」 湖張がそう言うと、メーサ教の騎士が反応をする。 「ええ、望遠鏡で周囲を確認していたら発見をしましたからね。最接近前に知らせる事は出来ましたよ」 片手サイ […]
「はい、もう大丈夫ですよ。だけど我慢は駄目ですからね?」 左足の痛みを訴える男性を魔法で治療した湖張。 目覚めてから数時間が経過しており、現在はレドベージュと共に診療所にて治療を再開している。 一方ラナナは用意してもらった宿屋の一室を借りて、早速槍の解析を始めていた。 またゴルベージュは周囲の調査を行っている。 診療所には時折治療をしてもらうために人が訪れては来るのだが、 昨日の内に殆どが治療を受 […]