気が付くと、カーテン越しで柔らかくなった日の光を感じる湖張。 始めは寝付けなかったが何だかんだで眠れたようである。 診療所で寝ていたせいか、消毒液の独特な臭いを感じながらも体をゆっくりと起こす。 「おはようございます」 近くのベッドから声が聞こえる。その方向に視線を移すとベッドに腰を掛けながら髪をとかしているラナナの姿が目に入る。 「おはよう。寝られた?」 優しい笑顔で挨拶を返す湖張。するとラナナ […]
治療待ちの列をさばき切り、静かになった診療所。 時間も遅い事もあり、周囲は静かになっていた。 とはいったものの、再び魔物の襲来がある可能性もゼロではないので 警戒し見回りをしている町人の姿を確認する事が出来る。 そんな中で診療所の前にある長椅子に腰を掛けて夜空を見上げている湖張。 本来ならばベッドで横になっている時間なのだが、寝付けず夜風に吹かれていた。 「どうしたのですか?」 診療所の扉がゆっく […]
魔物を倒した後に町の中を改めて見てみると、荒れようは酷いものであった。 大地はえぐれ、家は焼け落ち、そして大勢の負傷者が出ていた。 戦闘に参加していなかったゴルベージュは、視界に入る人たちを治癒した後に消火活動を行っていたらしい。 流石天帝といったところだろうか、火災はあっという間に鎮火されていた。 この何処から手を付けて良いのか分からない状況の中で、一つの問題が解決できたことはせめてもの救いとい […]
荒れた町の中を走る一行。 その途中には負傷している人を何人か見かけたが、今は魔物を退治する事が先決と考え 胸を痛ませながらも先へ急ぐ。 その途中で湖張はレドベージュの横に並び話しかける。 「今の人たち、大丈夫かな?」 「うむ、心配ではあるが今は魔物をどうにかせねば」 「あの人たちの為にも急がないとね」 「そうなのだが・・・無理はするでないぞ」 心配そうなレドベージュに対して「大丈夫だよ」と簡単に返 […]
「レドベージュ!」 魔物の半身が地面に落ちた時に発した鈍い音を合図にするかのように、固まっていた体が動き出しレドベージュに駆け寄る湖張。 すると彼はゆっくりと体を彼女に向ける。 「すごいね、最初は傷つけるくらいだったのに本気を出したら真っ二つだもん」 感心するように湖張が伝えると、首を横に振るレドベージュ。 「いや、そんな事はないさ。むしろ最初からこうしろと咎められるかもしれん」 「そんな事は言わ […]