2020年7月

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十九話【観光の後の帰り道】

「よっ、ほっ、よっと!」 小刻みに声を出しながら、テンポよく川の上に頭を出している岩の上を両手を広げながら飛び移る湖張。 その姿は少し楽しそうである。 講習会が終わった後は、ゆっくりと昼食を終わらせた後に少し休憩をしてから塔を後にした。 帰りの山道は下り坂が多かった事と、少々の高さぐらいの崖であった場合は飛び降りて近道を取った事もあり、 あっという間に下山をしていた。 今は山を登る前に渡った川を戻 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十八話【この惑星(ほし)と神について-5】

「そういえばさ、神様ってその三人だけなの? 神話だともっと色々な神様がいたと思ったけど」 何となく静まり返りそうであり、気まずくなりそうという事もあり、 湖張は違う質問を投げかけてみることにする。 するとレドベージュは、静かな雰囲気を引きずることなく、いつもの口調で回答をする。 「うむ、基本的にはその三人だけだ。 神話に出てくる神は創作がほとんどだからな。 しかし例外もいる」 「例外?」 「うむ、 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十八話【この惑星(ほし)と神について-4】

湖張とのやり取りが一段落つくと、柱の彫刻をジッと見つめるレドベージュ。 「・・・そう言えば本来伝えようとしていた内容からずれてしまったな。 まあ良い、話を戻すとしよう。 我ら従者と民を与えられた三人の神は共に手を取りこの世界を作り上げていった。 村を作り、それが町となり、そして国になっていった。 また、国になる頃には神という存在は絶対的すぎるので常に頼られてしまい 人の発展を阻害すると考えられた。 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十八話【この惑星(ほし)と神について-3】

「そういえばさ、ウーゾ神もリンキ神も従者は一人だけなの?」 柱を見上げながらポツリと湖張が何気ない質問をすると、レドベージュも柱を見つめながら答える。 「うむ、むしろラリゴ神に4体いる方がイレギュラーなのだ」 「そうなんだ。じゃあラリゴ神だけが特別待遇という事?」 「いや、そういうわけではない。 簡単に言ってしまうと、キュベーグやリティーは我の4倍強い。 つまり我らの力は4体で1体分だ」 「そうな […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十八話【この惑星(ほし)と神について-2】

「ちなみに湖張よ、まだ本当に話したかった内容には、かすりもしていないが大丈夫か?」 「・・・多分」 頼りなさげな雰囲気を見ると少し考えるレドベージュ。 「ふむ、ではここからは重要なところまで簡単に端折るぞ。 そんなこんなで次第にこの惑星には海が出来て陸が出来て、山が出来て 川や池もできて、そして木々や草花、海藻といった植物も根付き、 様々な魚や動物が特に誰の手によってではなく、自然と住むようになっ […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十八話【この惑星(ほし)と神について-1】

階段を登きり最上階にたどり着くと、そこは10㎡程の白い壁で囲まれた細長く廊下の様な作りの部屋になっていた。 壁は薄っすらと光っておらず、代わりに天井が光っている。 そして部屋の左手側には両開きの大きくて重厚感のある金属製の扉が、何者も通さないかの如く立ち塞がっていた。 「この先が目的地なの?」 「うむ、その通りだ」 湖張のつぶやきにレドベージュがそう反応しながら右手で扉を軽く押すと、 自動で動くか […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十七話【いざ観光へ】

夜が明けて日の光が村を照らし始めるのと同じくらいの時間に、静かに宿屋の扉を開けて外に出る湖張とレドベージュ。 大きな音を立てると近隣に迷惑になると思い、そっと出発をしようとしたのだが、 外ではまだ飲んだくれている村民が数人いた。 中には外でそのまま寝ているのか倒れているのか分からないが、醜態を晒している者もいる。 「おー湖張ちゃーん!こんなに朝早くからお出かけかーい!?ひょっとしてもう行っちゃうの […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十六話【宴会後の落ち着いた部屋で】

「ああ、やっと静かになった」 宿屋にチェックインした後はというと、村中の人が酒場に集まり 山賊を倒した湖張にお礼をすべく、それはそれは派手な宴会が催された。 最初のうちは湖張に対して次から次へと村民がお礼をしに来ていたが、 途中からは、ただただ全員で騒ぐだけの宴会と化していた。 話を聞くと、どうやらこの村の住人は事あるごとにこの様な宴の席を設けるらしい。 要するに湖張も宴会のだしにされた部分がある […]