2020年

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ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第六十四話【槍の実験】

宿屋の前までたどり着くと、先行していた数人の町人が湖張の事を待っていたようで、 大きな声で呼びかけられて宿屋の中に案内される。 宿屋の中に入ると、戦いの後という事と怪我人が担ぎ込まれた事が合わさって喧騒に包まれていた。 しかしながらその場の雰囲気に流されることは無く、落ち着いた素振りで廊下を歩く湖張とラナナ。 その調子で案内された部屋に入ると、鎧を脱がされてベッドに寝かされている男性の騎士と、傍ら […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第六十三話【メーサ神の剣】

「すごい!全部片づけちまった!!」 湖張たちが考察をしている一方で、魔物を一匹残らず倒し切った状況に対して、町人達から歓声が沸き上がる。 先ほどまで手も足も出なかった魔物の群を、次から次へと討伐した姿を見れば そうなる事は必然と言えば必然ではあった。 そしてその場に集まった大勢の人々の注目の中でメーサ教の騎士達はゆっくりと町人達に近づき、 大きな声で訴えかける。 「皆様、ありがとうございます! 大 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第六十二話【予想外な魔物の群】

町の男衆はそれぞれが武器となりそうなものを持って街の外を目指している。 非戦闘員だとも思えるのだが、団結して町を守ろうという共通の意識があるのかもしれない。 その表情は臆することがなく、勇敢な雰囲気を醸し出している。 しかしながら戦い慣れているかどうかは分からないので、かえって被害が広がらないかという点が心配でもある。 なのでなるべくなら自分たちが先頭に立って対処したいとも思えてくる。 そう考えな […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第六十一話【予定が変わる雨上がりの午前】

昼食の後は宣言通りゆっくりと昼寝をした湖張とラナナ。 どうやら疲れが溜まっていたらしく、横になったらすぐに眠りにつけた。 意外と心地よくもあり、たまにはこういうのも悪くは無いかとも思えてくる。 そして気が付くと夕方になってはいたが、相変わらずの雨であった。 やむ気配は無く、このまま明日も宿屋で足止めかもしれないとも考えられるくらいの土砂降りであった。 しかしながら一夜明けてみると、それまでの雨は嘘 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第六十話【雨の日の宿屋】

石造りの魔法生物を倒してから二週間。 一行は元居た場所から東を目指して移動をしていた。 このくらい離れてくると、天標が深く根付いている地域ではなくなってきており 何を信仰するのかではなく、信仰すること自体が自由な雰囲気であった。 とは言ったものの、あれからはメーサ教と遭遇することは無く特に目ぼしい情報も得られないでいた。 そんな中で本日は強い雨が降り続いており宿屋で足止めをされている状態である。 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十九話【石造りの魔法生物を倒して】

「勝ったよね?」 湖張がゆっくりと姿勢を戻しながらそう呟くと、歩いて近寄ってきたレドベージュが答える。 「うむ、物凄い量の魔力が放出されている。恐らくもう魔法生物として成り立つことは出来まい」 「湖張姉さま!」 後ろから飛んできたラナナは湖張の背中に左手を回して横に並び、嬉しそうな顔を見せながら魔法生物を観察する。 「やった!やりましたね!!凄いですよあんなに硬かった相手なのにこんな風に出来るなん […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十八話【石造りの魔法生物】

「あの、今日は遠距離から一斉に魔法を放ちませんか?」 後方からゆっくりと近づく最中、ラナナが小声で話しかけてくる。 それは目標までの距離が50mといったところでの事であった。 魔法生物は話通り4m程の大きさで、確かに石でできている様子だ ただ、想像していた姿は大きな岩を組み合わせて人型にしたようなものだったのだが、 実際に目の前にいるのはレンガの様な均一の直方体の石を丁寧に積み重ねて作り上げた、 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十七話【魔法生物を探して】

「よし、今日も曇り空だね」 一夜明け、出かける準備が終わり宿屋の外に出るなり空を見上げてそう言う湖張。 「曇りが良いのか?」 普通ならば晴れの方が喜ばれると思えるのだが、曇りをありがたがる湖張に疑問を投げかけると、 彼女は空を指さして答える。 「だって日差しが眩しいと、よく見えない時があるからね。 今日は少し気を引き締めていった方がいい相手だと思うからさ、少しでも不利な状況は作りたくないんだよね」 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十六話【堀の準備をする町】

鶏型の魔物を倒してから更に三日、一行はとある町にたどり着いていた。 既に信仰が篤い地域に入っていたようで、天標の信者も数多く存在しているようである。 そう感じた理由として、この数日間に立ち寄ったどこの村でも天標を深く信仰していたからだ。 またメーサ教の気配は全くと言って良い程に感じられなかったので、どうやらこの付近には進出をしていないようであるとも感じ取られた。 「この町にも多分メーサ教は入ってき […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十五話【あれから二週間】

曇り空の中、全速力で走り続ける湖張。 また周囲は木々に囲まれており、天候も相まって暗い雰囲気を漂わせている。 超宴会の村を出てから一行は、予定通り北を目指していた。 しかしただ北を目指していたわけではなく、途中で立ち寄った町や村で魔物の被害を被っている案件があれば対処をしていた。 また、旅路の途中でも人に危害を加える恐れのある魔物を見つけては退治をしつつ三人の息を合わせて戦う練習をしていた。 よっ […]

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