ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十九話【石造りの魔法生物を倒して】

「勝ったよね?」 湖張がゆっくりと姿勢を戻しながらそう呟くと、歩いて近寄ってきたレドベージュが答える。 「うむ、物凄い量の魔力が放出されている。恐らくもう魔法生物として成り立つことは出来まい」 「湖張姉さま!」 後ろから飛んできたラナナは湖張の背中に左手を回して横に並び、嬉しそうな顔を見せながら魔法生物を観察する。 「やった!やりましたね!!凄いですよあんなに硬かった相手なのにこんな風に出来るなん […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十八話【石造りの魔法生物】

「あの、今日は遠距離から一斉に魔法を放ちませんか?」 後方からゆっくりと近づく最中、ラナナが小声で話しかけてくる。 それは目標までの距離が50mといったところでの事であった。 魔法生物は話通り4m程の大きさで、確かに石でできている様子だ ただ、想像していた姿は大きな岩を組み合わせて人型にしたようなものだったのだが、 実際に目の前にいるのはレンガの様な均一の直方体の石を丁寧に積み重ねて作り上げた、 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十七話【魔法生物を探して】

「よし、今日も曇り空だね」 一夜明け、出かける準備が終わり宿屋の外に出るなり空を見上げてそう言う湖張。 「曇りが良いのか?」 普通ならば晴れの方が喜ばれると思えるのだが、曇りをありがたがる湖張に疑問を投げかけると、 彼女は空を指さして答える。 「だって日差しが眩しいと、よく見えない時があるからね。 今日は少し気を引き締めていった方がいい相手だと思うからさ、少しでも不利な状況は作りたくないんだよね」 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十六話【堀の準備をする町】

鶏型の魔物を倒してから更に三日、一行はとある町にたどり着いていた。 既に信仰が篤い地域に入っていたようで、天標の信者も数多く存在しているようである。 そう感じた理由として、この数日間に立ち寄ったどこの村でも天標を深く信仰していたからだ。 またメーサ教の気配は全くと言って良い程に感じられなかったので、どうやらこの付近には進出をしていないようであるとも感じ取られた。 「この町にも多分メーサ教は入ってき […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十五話【あれから二週間】

曇り空の中、全速力で走り続ける湖張。 また周囲は木々に囲まれており、天候も相まって暗い雰囲気を漂わせている。 超宴会の村を出てから一行は、予定通り北を目指していた。 しかしただ北を目指していたわけではなく、途中で立ち寄った町や村で魔物の被害を被っている案件があれば対処をしていた。 また、旅路の途中でも人に危害を加える恐れのある魔物を見つけては退治をしつつ三人の息を合わせて戦う練習をしていた。 よっ […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十四話【次は北を目指して】

グレルフ退治を終えて村に戻ると、昼も過ぎた時間であるにもかかわらず、超宴会は未だに続いていた。 流石に超が付くだけの事はある。 ただ単に酒が好きなだけなのかもしれないが、村全体が陽気に満ち溢れているので止めるのも気が引ける状態だ。 心地よい天候という事もあり、屋外でも多くの村人が飲めや歌えやの大騒ぎであった。 「うん、ここの村ではこの有り方が正義なんだね。そう理解しよう」 細い目でそう呟く湖張。こ […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十三話【グレルフとの闘いを振り返って】

「派手に吹き飛んだねー。あんなのを手軽にやっちゃうんだから、やっぱりレドベージュって凄いわ」 グレルフが一掃された様子なのでゆっくりと歩きレドベージュに近づく湖張とラナナ。 湖張が軽い雰囲気でレドベージュにそう話しかけると、ラナナもため息交じりで会話に入ってくる。 「それを言ったら湖張姉さまも凄いというか・・・言葉は悪いですがおかしいですよ。 サンダーボルトと言っていましたけど、普通はあんなに太く […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十二話【グレルフとの闘い】

湖張が走り距離を縮めると、3匹のグレルフが立ち向かうかのように湖張に向かって走り出す。 そしてその後ろ姿を険しい表情で見つめるラナナ。 というのも、自分の立ち位置からだと湖張に自分の放つ魔法が当たってしまう危険性があると考えたからだ。 右手をかざして左手で右手を掴んで支えながら魔法を撃つ姿勢を取ったまま固まるラナナ。 ものの数秒間なのだが、焦りのせいで長い時間の間、自分は何もできていないのではない […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十一話【グレルフの群を探して】

「さて今更なのだけれども、出くわさなかったらどうしよう?」 遠い目でボソリとそう呟く湖張。 現在は村から一時間ほど徒歩で北に進んだ位置である。 朝食を取った後は少し休憩をした後に一行はグレルフの捜索に出発していた。 しかしながら、北の方角に目撃情報があったのでとりあえず向かってみたのだが、 もともとの情報も少なく当然のように空振り気味である。 天気は快晴。周囲には道は無いが草原が広がっており、草の […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第五十話【様子見の朝】

朝食を軽くとるために食堂に行くと超宴会はまだ続いていた。 ここまでくると呆れるを通り越して、村人の体力についつい感服してしまう。 「お、湖張ちゃんおはよう!!」 「昨日はうるさくて眠れなかったかい!?」 「おら、朝っぱらから絡んでるんじゃねえ!」 上機嫌で話しかけてくる酔っ払い達を追い払う様に宿屋の主が近寄ってくる。 「いやあ、すまねえな。朝っぱらから見苦しくてな!」 顔を真っ赤にしながら宿屋の主 […]

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