ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十五話【イガザン退治】
- 2025.12.02
- ピースキーパー赤き聖者
- PeaceKeeper赤き聖者, 小説
酒場を出て数件進むと人だかりが視界に入る。多くの人が集まっているようだ。
そして人々の頭上を越えた先に巨大な白い魔物の頭部が確認できる。
特徴的にイガザンである。
「あれがイガザン!?」
立ち止まりラナナに確認を取る湖張。頷くラナナ。
「はい、間違いありません!それにしても人が集まり過ぎていますね」
「・・・やりづらいなぁ」
湖張たちから見て右側は海、左側は飲食店が並ぶ通りだったのだが、
道には大勢の野次馬がいた。
また人々は自分たちの目の前だけではなく、イガザンを挟んだ奥の方にも集まっている。
「これじゃあ流れ弾が当たる可能性があるので、無暗に魔法も放てないですね」
困り顔のラナナ。湖張は後ろから追ってきたマスターに話しかける。
「集まっている人が邪魔です!離れるように伝えられませんか!?マスターなら顔見知りも多そうだから言う事を聞いてくれそうだから!」
その要望はもっともだと思い、マスターは周囲に向かて大声を上げる。
「おら、お前ら邪魔だ!離れろ!!こちらはアディットの妹弟子さんだ!イガザンを退治してくれるってよ!」
その知らせを聞くなりどよめきが起こる。
「その子がアディットの女か!?」
本気で否定をする湖張。
「ちがーう!」
補足するマスター。
「違う!鬼神の方だ!」
大声を上げる湖張。
「それもちがーう!!もう何なの今日は!!」
道を開けた大衆の間を抜けて駆け寄る湖張。
光の球を上空に放り投げると、そこから雷を発生させる。
「サンダー!!」
イガザンに落ちる雷。衝撃が魔物を襲い少しよろめくが、まだ健在の様である。
「倒しきれないか・・・」
そう呟いた直後、10本あるイガザンの足の内の2本が上から鞭のように降りかかってくる。
横方向に飛び攻撃を躱すと、地面がへこみ足の跡がうっすらと残る。
「覇王拳!」
着地と同時に白い光弾を放つ湖張。イガザンの体に命中するとバチンと弾ける音がし、少しだけ怯ませる。
その流れに湧き上がる民衆。
「おお!あれはアディットと同じ技だ!」
「いけー妹弟子ちゃん!」
(やーりーづーらーいーーーーーーー!!)
心の中で叫ぶ湖張。何かとちらつく兄弟子の存在が一挙手一投足、自分と比較されている感じがする。そう調子を崩し立ち止まると、再びイガザンは足を振り上げ湖張に狙いを定める。
民衆が窮地と感じ「ああっ」と声が上がった直後、振り上げられた足の先に向かって飛び上がる影が現れる。それはレドベージュであった。
剣による斬撃を浴びせると、いとも簡単に足を切り落とし、地面に鈍い音と共に落下させる。
その光景が目に入った直後、更に上空から9本の光の矢が高速で全ての足を射抜き、地面に貼り付きイガザンを拘束する。発生元には手をかざすラナナの姿があった。上空から狙い撃つことで、流れ弾が民衆に危害を加える事は無いと考えたからだ。
「湖張姉さま!」
ラナナが合図を送ると、湖張は鉄扇を開き飛び上がる。
「あんまり目立ちたくはないけど!」
イガザンの頭上から盾に鉄扇を振り下ろすとイガザンの体は割れ、
その場に倒れこむ。あっさりと討伐を終えると、民衆からは激しいくらいの歓声が湧き上がった。
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