「結構急な上り坂じゃない?」 行き先を見つめながらそうぼやく湖張。 と言うのも目の前には手をついて這い上がらないと行けなさそうなくらい急こう配な、 坂と呼んでもいいのか分からないくらいの上り坂が立ちはだかっていたからだ。 街を出てからの道のりは順調で、目的地の塔がある山への麓へは予定通りの時間で到着することが出来た。 そして後は山を登るだけの位置なのだが、この有様である。 「うむ、昔はこんな感じで […]
夜が明けて日が昇り始める早い時間に宿屋の扉がゆっくりと開く。 そこには湖張たちの姿があった。 というのも目指す塔は近い位置とはいえ、目的地への到着を午前中にするにはこの時間から出発しなくてはならなかったからだ。 しかしながらラナナは相当楽しみで有った様子で、直ぐに目が覚めてしまったようだ。 今日の早起きは特に問題がなさそうである。 「何か面白い荷物の持ち方だね」 宿屋を出るなり、ラナナに話しかける […]
「ただいまー」 部屋の扉をゆっくりと開ける湖張。 二人と別れてからの湖張は、とりあえず出店で美味しそうなものを探していた。 焼き鳥やフルーツの出店などを見て回り、様々な食べ物に誘惑されながらも選んだものはクリームパンであった。 それを作っているパン屋は街の中でも評判の良い店らしく、行き交う人々の中にもクリームパンを持っている姿を見る事があった。 更には店の前を通った時には数人がパンを購入するために […]
宿屋への帰り道も、湖張とラナナは楽しそうに会話をしながら歩いていた。 ラナナに対する第一印象は一応警戒されていたという事もあるのだろうが、隙の無いタイプの人間という感じではあったが、 いざ話してみると親しみやすく、妙に話しやすい相手であった。 「メーサ教・・・ですか?」 帰り道で話した内容は、今まで赤き聖者として旅をしていた中で起きた事が主なものであった。 その中でメーサ教について何か知らないかと […]
「おーい!もういないのかなー?」 水辺に向かって大声で問いかける湖張。 しかし彼女の声に反応する事もなく、先ほどまでわらわらと湧いて出てきていたダイアントの姿を見る事は無かった。 「これで終わりなのでしょうか? 少し気になる事があるのですよね。というのも兵隊役以外のダイアントはまだ巣の中にいるのではないのでしょうか?」 ダイアントの存在自体は知ってはいたものの詳しい生態までは知らないので、男性にそ […]
「おー出てきた出てきた。やっぱり音に反応するんだね」 そう呑気に言いながらダイアントを確認する湖張。 しかし次の瞬間には真剣な表情に変わり、左手で光の玉を上空に放り投げる。 そして次に右手を前方にかざして目の前に光の玉を発生させると、迫ってくるダイアントに狙いを定める。 「サンダークロス!」 彼女がそう声を発すると目の前の光の玉から5本の稲妻が発生し、それぞれがダイアントに突き刺ささる。 更には上 […]
「はぁ!?何あれ!?」 男性に向かって走っていた湖張は思わずそう声を上げると、男性も虫に気づき声を上げる。 「うわぁぁぁ!しまった!!」 体勢を崩しながらもその場から離れようとする男性。 しかし虫は男性に向かって襲い掛かろうと素早く迫ってくる。 「ひえええええ!!」 悲鳴を上げる男性。断末魔にも近い声を上げるが虫は無慈悲にも襲い掛かってくる。 と、そのタイミングで男性のもとに駆け寄ってきた湖張は虫 […]
賑やかな街の路地を抜けて再び落ち着いた雰囲気の池に到着する三人。 その途中で湖張はラナナと、とりとめのない会話をしながら歩いていた。 ラナナは一人っ子で両親に、それはそれは大切に育ててもらったらしい。 なので故郷から遠く離れた魔法学校へ寮に入って通うという事は難色を示したとの事だった。 元々なぜ彼女が魔法学校へ通うことになったのかというと、 住んでいた村に最難関の魔法学校であるダラ魔法学校の教授が […]
「さて、打ち合わせなしのノープランで取り合えず外出した訳だけど、どうしようか?」 少し遅めの昼食をとった後、とりあえず宿屋から出た三人。 湖張が腕を組んでそう呟くと、レドベージュが答える。 「まずは宿屋で水をどこから汲んできているのか聞くことから始めるか?」 「やっぱりそうなるよね。毒がどこからきているのかを辿るにはそれが良いよね」 ノープランと言っておきながら湖張もその意見と同じよなことを考えて […]
ラナナとの合流後、これからの話を立ち話ではなく落ち着いてする事となったので、 とりあえず宿屋に向かう事となった。 この街にはいくつもの宿があったのだが、ラナナは既に部屋をとっているとの事だったので 湖張たちも同じ宿をとることにした。 ラナナの部屋は一人部屋だったので今日は別の部屋を借りる予定だったのだが、 宿屋の受付にラナナが掛け合い、二人部屋に変更してもらう事ができた。 初対面の相手でも気にせず […]