ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第三十六話【汚れた水の根源を探して】

           

「さて、打ち合わせなしのノープランで取り合えず外出した訳だけど、どうしようか?」
少し遅めの昼食をとった後、とりあえず宿屋から出た三人。
湖張が腕を組んでそう呟くと、レドベージュが答える。
「まずは宿屋で水をどこから汲んできているのか聞くことから始めるか?」
「やっぱりそうなるよね。毒がどこからきているのかを辿るにはそれが良いよね」
ノープランと言っておきながら湖張もその意見と同じよなことを考えていたので頷いて賛同すると、
ラナナが小さく手を上げて発言しようとする。
「あの、それでしたら私が最初にいた公園に池があったじゃないですか?
あそこがこの街の水源になっているので、まずは池を目指しませんか?」
「そうなの?」
「はい、この街は隣接する大きな川から水を引いて、あの池に水を貯めています。
そしてそこから木製の給水管を通って街の至る所にある上水井戸に水が送られているのです。
なのでまずは水源の池から調べてみるのが良いと思います」
「すごいね、この街の水の仕組みまで知っているんだ。ひょっとしてさっき池にいたのは水の調査のためだったの?」
湖張が感心するようにそう言うと、苦笑いで首を振るラナナ。
「いえ、それは違うんですよ。
この街の水道技術は凄いという話は以前から知っていまして、その仕組みというか設備を見に行っていただけなんです。
なので毒の調査という訳ではありません。
ただそれを見る前に綺麗な蝶が飛んでいたので思わず見とれていたらお二人が目の前に現れたという流れです」
「なるほどね、水の調査ではなくて水を送る仕組みの調査だったわけだね」
「そうなんですよ」
「ふむ、だがその興味から得られている事前情報は役立つな。
池を調べて、その段階で毒があれば池か更に根源の川か、
そしてもし池に毒が無ければ途中の給水管か井戸に問題があると切り分けが出来るな」
「そうだね、じゃあ再び池に向かうことにしようか」

そう打ち合わせをすると、池の方角に向かう三人。
昼を過ぎると空に雲がだいぶ出てきたが、それが影になり歩くには丁度良い感じになってきていた。

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