ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十八話【この惑星(ほし)と神について-5】
- 2020.07.20
- ピースキーパー赤き聖者
- PeaceKeeper赤き聖者, 小説
「そういえばさ、神様ってその三人だけなの?
神話だともっと色々な神様がいたと思ったけど」
何となく静まり返りそうであり、気まずくなりそうという事もあり、
湖張は違う質問を投げかけてみることにする。
するとレドベージュは、静かな雰囲気を引きずることなく、いつもの口調で回答をする。
「うむ、基本的にはその三人だけだ。
神話に出てくる神は創作がほとんどだからな。
しかし例外もいる」
「例外?」
「うむ、実は我らが天に上がってからしばらく経ち、人々が独自に国を治め始めると再び創世主様が我らの前に現れたのだ。
そして新しい神をこの惑星に降り立たせた」
「新しい神?」
「うむ、しかもその神は三神とは異なる性質を持っていた。
まず三神は最初からこの彫刻の様な姿で、完成されていた。
そして不老不死であり、強大な力も持っていた。
リンキ神は不老不死を放棄したが、基本的には三神は年も取らなければ寿命も無いのだ。
しかし、新しい神はそれとは全く異なっていた。
というのも、まず誕生の仕方が違うのだ。誕生の時期になると、天の中心部に強力な光が発生し、
その中から10歳の少女が現れるのだ。それが新しい神・・・いや女神だ。
そして生まれたばかりの女神は人と同じように最初は未熟だが、心身ともに成長をし歳を取っていくのだ。
更に驚くことに、神なのだが寿命があるのだ。その長さは決まって50年だ。つまり60歳までしか生きられない。
すると創世主様が誕生させてから50年だけしか存在しなかった女神なのかと思うかもしれないがそうではない。
というのも、10年に一度、新しい女神が誕生するのだ。
つまり、女神は10年おきに一人ずつ増え、そして60を迎えた者から一人減る。
なので合わせて5人の女神が存在する事となる。
そして女神には役割がある。
その内容だが、まず天がこの世の中に強大な悪が発生する気配を感じた時に、その時代の最年少の女神を地上に降臨させることから始まる。
そして人として生き、成長した際には人との間に子供をもうける流れだ。
すると生まれた子供は女神の力を宿した偉大な力を持ち、強大な悪と立ち向かうこの惑星の剣となるのだ。
その名をピースキーパーと呼ぶ」
「ピースキーパー?・・・神話ううん、伝説でもあるよね?」
「うむ、神話だけではなく、伝説として救世主のように取り上げられている部分もあるな。
ピースキーパーはこの惑星の平和を保つ最強且つ最終手段だ。
創生主様は惑星の維持の為に作った人間を守るためにピースキーパーという存在を作られた。
慈悲深いと言うべきなのかもな」
その話を聞くと何かを思ったのか、湖張が少し考えた後に口を開く。
「なるほどね、作った人も大切にしたいという事なのかな?
・・・じゃあさ、そのピースキーパーは誰に守ってもらえるのかな?」
湖張の何気ない疑問を聞くと、レドベージュはジッと彼女を見つめる。
「湖張の視点は面白いな。ふむ、確かにそうだ。そうだな、そこは気を付けないといけないところだ。
守られるだけ、与えられるだけではいけない。我らもピースキーパーに対して見方を考えなければならないな。
ただゴルベージュは女神に対してもピースキーパーに対しても細心の気配りを見せているな」
「そっか、そうだよね」
すると数秒間の沈黙が流れる。
恐らくレドベージュも何か思うところがあったのかもしれない。そう感じ取るとこちらから話しかけずに
静かに昼食の続きを食べようとする湖張。
「・・・後は、神ではないが天使の中に一人だけ抜きんでた力を持っている者がいる。
名はイガータといい、その力は計り知れない。恐らくは我ら永久リビングアーマーをも凌ぐであろうな。
また聡明でもあり、天使達のまとめ役として大天使を名乗り、その力を振るっている。
天使ではあるが、限りなく神に近い力を持っている者だ」
再びレドベージュが話題を変えて話を始めると、食べることを止める湖張。
「大天使様は確か神話に出てきているよね?」
「うむ、ラリゴ様のご寵愛を受けているのも一つの理由であろう」
「そういえばさ、何で神話は出来たの?内容は違っても登場人物は遠からずの部分があるよね?」
「それはな、もともとは民と共に我らはこの惑星で暮らしていた。しかし国が出来上がり、安定した段階で
天に上がった訳だが、急に関係を断ったわけではない。しばらくは民と天は交流があったのだ。
その時の記憶が神話となり今まで伝わっているという流れだ」
「なるほどね」
「さてと、ここまで話した内容が、この惑星で何があったかの大体の流れだ。
そしてこの塔だが、天を作った時に初心を忘れないようにと作ったものだ。
ちなみに何故この場所を選んだのかというと、ここは創世主様が我らを誕生させた始まりの場所だからだ」
「そうだったんだ、じゃあここがレドベージュの生まれ故郷なんだね?」
「うむ、その通りなのだが・・・フッ、湖張の視点は本当に面白いな」
そういうとジッと柱の彫刻を見つめるレドベージュ。その雰囲気から不思議と穏やかなものを感じ取れる。
何か色々と思い出しているのかもしれないと思うと、いたずらに声もかけられないと思ったので、
湖張は静かに昼食を再び食べ始めた。
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