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ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十五話【イガザン退治】

酒場を出て数件進むと人だかりが視界に入る。多くの人が集まっているようだ。 そして人々の頭上を越えた先に巨大な白い魔物の頭部が確認できる。 特徴的にイガザンである。 「あれがイガザン!?」 立ち止まりラナナに確認を取る湖張。頷くラナナ。 「はい、間違いありません!それにしても人が集まり過ぎていますね」 「・・・やりづらいなぁ」 湖張たちから見て右側は海、左側は飲食店が並ぶ通りだったのだが、 道には大 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十四話【兄弟子の事情】

酒場の扉を勢いよく開ける湖張。相変わらず顔は怖い。そしてカウンターにてグラスを拭いていたマスターと思わしき男性を見つけるなり早歩きで近づく。 湖張の姿に気が付き何事かと驚いた表情で様子を窺い続ける男性。中年で頭髪が寂しいが顎髭は健在である。湖張がカウンターに手をつくと、勢いが止まり切らずにバンっと音が響く。 「アディットはどこ!?」 表情を緩めずに問いかける湖張。するとマスターからは驚きの表情は消 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十三話【船が着いた港町】

穏やかな海が続き、航海は予定通り目的地の港に到着することが出来た。 船旅が終わる事を少し寂しく思う湖張ではあったが、 今度は船の上から見る活気あふれる港町に心が躍り始める。 背伸びをしながらゆっくりと下船をするラナナに「早く早く!」と急かす姿を微笑ましく見守るレドベージュ。ラナナは苦笑いで「その役、今日は逆なのですね」とつぶやいた後に、足を速めて湖張に追いつく。 「話には聞いていたけれども、凄いね […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十二話【船の上で】

眩しい日差し、独特の匂いを運ぶ潮風、そして見渡す限り広がる海。 湖張は静かな甲板に設置されている横長の椅子に腰を掛けて、飽きることなく海を見つめている。 三人はタウンの家を発った後、ゼンの言う通り南下し、そして船に乗った。 今はその航海の途中である。 ゼンが渡してくれたチケットは単なる乗船だけではなく、4人用の個室の使用権までついていた。またそれなりの効力があるサインもされていたようで優先的に乗船 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十一話【タウンが見つけたもの】

「ごめん、待たせちゃったよね」 湖張たちが食事をしている最中に姿を現すゼン。そろそろ食べ終わりといったタイミングであった。 この日は何気ない会話をしつつの食事であったが昨夜と違い酒は入っていなかった。そのせいか少し落ちついてはいた。 「おつかれさん。まあ待ってはいたが食事をしていたんだ、待ちくたびれてはいないぜ」 タウンがそう声をかけると、彼の隣に座るゼン。そしてチウルが立ち上がり話しかける。 「 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十話【託された赤いペンダント】

ハルザートと挨拶を交わした後、湖張とラナナは街に出かけていた。今まで訪れた町や村とはわけが違い、人も店も建物も何処まで続くのかというくらいに並んでいる。 昨夜、タウンから朝食の誘いがあったのだが、ラナナは折角なので有名な軽食を出してくれる店が近いのでそこに行きたいと伝える。 甘い果実のソースがかかったパンとサラダ、絶妙な香りをもつお茶を楽しんだ後は、大きな噴水がある広場、記念碑、見世物小屋、そして […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百四十九話【真面目な青い騎士】

目が覚めると見慣れない部屋の中で、ベッドにうつ伏せで倒れこんでいる事に気が付くハルザート。ハッとして上半身を起こすと頭痛に合わせて倦怠感が襲ってくる。とても気持ちが悪い。 一瞬、魔物にやられて担ぎ込まれた病院かと思ったが、すぐさまタウンの家に泊まっていた事を思い出す。 少しずつ記憶をたどる。すると昨夜、湖張たちと食事をした事を思い出すが、何をどうして今に至るかがハッキリとはしない。湖張やタウンたち […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百四十八話【再びのアッシャー家の食事会】

昨日と同じ食堂に案内されると、すでに料理の準備が出来ていた。 入ってきた姿を確認するなりチウルは笑顔で近寄ってくる。 「ほら、席に案内するね、湖張ちゃんはここでラナナちゃんはこっち。」 椅子の位置を移動しながら案内をするチウル。湖張とラナナの間には席が一つ開けられていた。 「あれ?席を一つ開けるのです?」 不思議そうに問いかけるラナナ。するとチウルはうっすらと笑みを見せる。 「うん、ここはタウンの […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百四十七話【再びのアッシャー家】

「おう、ちょっと待っててな」 フィルサディアの入り口である街の門を通り過ぎたところで皆に告げるタウン。 小走りで入口のそばにある兵士用の小さな詰所に入っていく。 「どうしたのかな?」 不思議そうな目で詰所を見る湖張にゼンは答える。 「今日は直帰するからその旨を城に伝えるようお願いしているのだと思うよ」 「あーなるほどね。ゼンさんは良いの?」 「僕の分も言ってくれているよ。気が利かないやつでもないで […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百四十六話【一掃の魔法】

「なんだよ!!20倍どころじゃねえだろ!!」 離れていたはずなのに痛いほどの爆風に煽られるタウン。 「これほどなのか!?」 地面に伏せて耐えるハルザート。想定外の威力に驚きを隠せない。 数秒経つと、ようやく収まる嵐のような爆風。爆発の煙と砂埃が周囲を包み続ける様子を気まずそうに見つめる湖張。 「・・・少しやり過ぎたかも」 「ひょっとして今までって全力で撃ってなかったのです?」 ラナナが近づいて引き […]

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