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ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百六十五話【深雪の情報】

一夜明け、朝食を済ませ宿の部屋に集まっている四人。深雪は身支度を済ませようとしている。 あれからというもの、深雪は慎ましく過ごしていた。 昨夜、夕食を食べ終わった頃に聞いた話によると、 やはり遠くまで一人で旅をしてきた事は大変だったようで、少し追い詰められていたとの事だった。そして湖張との手合わせが切っ掛けなのに、何で自分がこんな苦労をして旅をしているのかと思っていた矢先に湖張の姿を見て、どうにも […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百六十四話【深雪】

フワッとした感覚の中、ゆっくりと瞼を開けると見たことが無い天井が映る。 一瞬、理解が出来なかった様子だが、すぐさま何かに気が付いた様子で勢いよく上半身を起こす深雪。 「ふむ、目覚めたようだな」 焦ったような表情で声の方向に顔を向ける深雪。そこには看病をしていたレドベージュの姿があった。 「鎧が・・・しゃべった?」 「驚かせてしまったな」 「面妖な!!」 「この反応、慣れてはいるつもりではあるが・・ […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百六十三話【長い銀髪の格闘家】

慌ただしい流れで師と別れを告げると、一行は日が暮れないうちに更に西の町を目指す事となった。 最後にゆっくり食事でもという思いはあったものの、今のダラに感づかれる事の危険性を考えると、悠長なことは言っていられなかった。 「日暮れまでに間に合うかな?」 空を見上げながら問いかける湖張。 「うむ、夕暮れ時に到着であろうな。問題なかろう」 「そっか。まあ最悪、魔法で飛べば良いよね?」 「うむ、そうではある […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百六十二話【槍の正体】

「それではいきます!」 師の部屋にて湖張に向けて手をかざすラナナ。 今は滞在2日目の昼過ぎ。宣言通り二日目でアルサキエナの習得を終えたラナナ。 成果を試すために湖張に向かってアルサキエナを放とうとしている。 「はいはいどうぞ」 特に警戒もせずに腕を広げて受け入れる姿勢の湖張。 「アルサキエナ!」 水色の細い光の線が何本も緩やかな螺旋を描くようにラナナの手から放たれると、湖張の体にすっと吸い込まれて […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百六十一話【学食にて】

現在は昼前の時間帯。湖張は一人、学食の大きなテーブルに座っている。もうしばらくすると昼休みに入った多くの学生たちが訪れる事もあり、少し早い昼食を取っていた。 ラナナが師と再開をしてから既に1日が経過している。彼女は話が終わった後、すぐにアルサキエナの習得に専念し始める。湖張は邪魔をしてはいけないと思い、町を散策したり人気が無い場所で鍛錬をしたりと、一人の時間を過ごしていた。 「相席、よろしいですか […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百六十話【戦略魔法】

何と返して良いのか迷いながらも、言葉を発するラナナ。 「はい。ですが・・・」 「赤き聖者として必要な力だった。ですよね?」 自らの言い分を伝える前に師の目の勢いが少し弱くなり、理解を示すような雰囲気になると、ラナナは簡単な答えだけを返す。 「・・・はい」 そこで持ったままの手紙に目を移す師。そしてもう一度読み直す間を取った後に伝える。 「失礼、少し見た目が騒がしくなります」 頭の高さより少し上の位 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十九話【207号室】

朝を迎えるなり、一行は支度を簡単に済ませると目的地である隣町へ早々に向かった。 訪問先の学校は、魔法学校の最難関であるダラ魔法学校の関連校ではあるのだが、主に私生活に活用できる魔法を教えており、学費さえ払えれば誰でも入学できるため難易度はそれほど高くない。 学費とはいっても決して高いわけでもなく、教材費くらいのもので気軽に学べる場であり、ダラの慈善事業的な意味合いがあるようだ。ラナナ曰く、国からも […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十八話【落ち込んだ心にクッキーを】

静かな夜の宿の部屋。湖張は窓の近くの椅子に腰を掛け、ぼんやりと外を見つめている。ラナナはベッドに腰を掛け、膝の上で猫のように丸くなっているユカリをぼんやり見ながら撫でている。二人とも何かを話す事もなく、ただただ静かな時間が過ぎていく。 「戻ったぞ」 レドベージュがゆっくり扉を開けて入ってくる。そして抱えていた紙袋をテーブルの上に置くなり、中身を取り出す。数種類のクッキーだ。 「夕飯もあまり入らなか […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十七話【立ち寄った村の跡】

日が明けた早朝、湖張はマスターに宿と食事の礼を言う事に合わせて、兄弟子宛に伝言をお願いした。内容はいたってシンプルで「さっさと村に帰って芭蕉心拳を継ぐように」のみであった。マスターからは「それだけかい?」と拍子抜けをされながら聞き返えされるが、特に付け足す事はしなかった。 そして次の目的地に向かうために酒場を後にしようとしたところで、マスターから呼び止められる。 何かと思い振り返ると少し神妙な面持 […]

ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第百五十六話【兄弟子について】

「もう食べられません・・・」 テーブルに突っ伏すラナナ。弱々しく声を絞り出す。 夜も更け、今はマスターの好意で用意してもらった宿の部屋で寝るだけの状態になっている。 「流石に料理を出しすぎだよね。お礼しすぎ」 湖張も椅子の背もたれに寄り掛かりぐったりしている。 イガザンを倒した後は、まさにお祭り騒ぎになっていた。 「いつぞやの宴会好きな村を思い出しますね」 次々に出される食事に翻弄された事はかつて […]

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