ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十四話【山賊を捕縛】
- 2020.06.27
- ピースキーパー赤き聖者
- PeaceKeeper赤き聖者, 小説
「大丈夫です?怪我はないですか?」
山賊たちを成敗した後に、腰が抜けている男性二人組に近寄って話しかける湖張。
すると、震えながらでうまく動かせない首をやっとの思いで縦に振る。
「あ、ありがとうございました。助かりました」
何とか声を絞り出して礼を言われると、湖張は白い歯を見せてニカっと笑う。
「良かった。ところでこの人たちって山賊ですよね?」
全員気絶させてから確認を取る湖張。もし違ったらどうしようかと今更になって少し不安になってくる。
「ええ、その通りです。最近になってここら辺には山賊が出るようになっていて困っていたんですよ」
「そうなんだ、じゃあ悪者を退治出来てめでたしめでたしですね」
心配する必要は無かったと思える答えが聞けたので一安心である。
その気持ちは顔に出さずに、倒れている山賊たちを見渡す湖張。
「さて困ったな。倒したのは良いけど、この人たちはどうしよう。
逃げないように縛って村にいる衛兵に引き渡したいけど、縛るものも運ぶ手段も無いんだよね」
大きめな声で独り言をするふりをしてレドベージュに相談する湖張。
すると男性の一人が立ち上がり山道の上を指さした。
「それでしたらちょっと坂を上ったところにロバと台車と荷物を縛るためのロープがありますよ。
実は私たちは隣の町まで買い付けに行く途中だったんですよ。
たくさん仕入れて台車に乗せて帰る予定だったのですが、途中で山賊に襲われてしまい、それらを置いて走って逃げたのですが
ここで捕まってしまいましてね。もう今日は買い出しに行く気力もないですし、是非使ってくださいな。山賊を衛兵に突き出せるのならば
今後の為にもなりますしね」
「随分とお誂え向きな状況ね。でもそうしようかな」
横目でレドベージュを確認すると、縦に頷いて了承の合図が返ってくる。
「そうしたらお願いしても良いですか?
あと、出来れば台車ごとロープをここに運んできてもらえると助かるんですけど良いです?
この人たちが目覚めた時の為に目を離したくは無いんですよね」
湖張がそうお願いすると、男性二人は笑顔でうなずく。
「ええ、お安い御用ですよ。それにロバも私たちの方が慣れているので素直に動いてくれるでしょう。
少し待っていてください」
そうやり取りをすると、小走りで坂を上る二人。
そして3分ほどで台車を引いたロバを連れて戻ってくる姿が見えてきた。
さほど遠い位置ではなかったらしい。
台車の上は仕入れ前ともあって、荷物は何もなかった。
ただ、たくさん仕入れる予定だったのか台車に荷物を縛るためのロープが何本も用意されていた。
これならば山賊たちを縛るのに困らなさそうである。
「じゃあロープを借りますね」
そう言って一人ひとり手際よく腕と胴体を縛っていく湖張。
またそれとは別に逃げられないようにと男性二人には、短いロープで山賊の両足を縛るようにお願いをする。
三人で作業に取り掛かったので、そんなに時間をかけずに四人を縛り上げ、台車の上に乗せた。
「いやあ、それにしてもお嬢さん強いね、びっくりだよ」
しっかりと縛ったので安心できたのか、男性の顔から余裕が見えてくる。
「いえいえ、それほどでも。ところで私たちは東にある村に向かっているんですけど、
このままこの人たちを連れて村に向かって良いですか?」
湖張が確認をすると、うなずく男性。
「ああもちろん。自分たちもその村から来ているからね。
このまま一緒に戻ろう。それにお嬢さんは命の恩人だ。今日はご馳走させてくれよな」
「あ、いやそれは悪いですよ。お構いなく」
「いや、そういうわけにはいかないさ。まあ硬い事は無しにしようや」
「・・・それじゃあお願いしようかな」
何となく押し負けてしまったが、それで相手の気持ちが収まるのならば、それで良いかとも思える。
レドベージュの様子を見てもコクリとうなずくだけだったので、問題ないのであろう。
そんなこんなの昼下がり。一行は村に向かう為にゆっくりと動き始めた。
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