ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第二十三話【山道で人助け】

           

本日も快晴。心地よい気温と天気に恵まれた絶好の旅日和である。
湖張とレドベージュは滞在していた町を出た後、東にある村を目指していた。
その道のりだが最初は平坦で歩きやすい道ではあったが、次第に登りの山道になってきていた。

山道とはいっても多くの木々が生い茂った山ではなく、岩山に近い形で人が通る道もある程度整備されている。
恐らく交通路として利用されているのであろう。
荷馬車が通れるくらいの道の広さから、とても重要な道だという事が感じ取れる。

そんな長閑なはずの山道の旅路の途中で、レドベージュは立ち止まり空を見上げている。
すると雲も木々もなく日の光を存分に浴びるはずなのに、人影の様なものが飛んできて、わずかな時間だけ彼は日影の中に身を置くことになっていた。

「・・・」
飛んできたものは黄色い服を着た男で、正直なところ第一印象としては柄が悪い。
レドベージュは抜剣せずに鞘に納めた状態の剣で男を無言で叩き落す。すると彼の左側に落ちた男は完全に伸されて動かなくなった。

「ごめん!そっち飛ばしちゃった!!」
レドベージュに向かって叫ぶ湖張。しかし彼女の声が届く頃には、レドベージュは対処済みである。

「ひ・・・ひええ」
レドベージュの後ろには中肉中背の男性二人組が腰を抜かしたようにしゃがみ込んでいる。
叩きつけられた男を見て怯えているようだ。

「レッド君、もうちょっとだからその人たちをお願いね!」
湖張がレドベージュにそう言うと、喋らずにうなずいて答えるレドベージュ。

「さーてと、そろそろ終わりにしようか山賊さん?」
湖張の目の前には緑色の服を着た髭面の男と青い服を着て眼帯をしている如何にも悪そうな男の二人組がサーベルを持って構えている。
この男たちはどうやら山賊のようである。

ピースキーパー赤き聖者023話

事の始まりとしては湖張たちが山道を歩いていると、今現在レドベージュの後ろで腰を抜かしている男性たちを4人の山賊たちが襲撃していたところに、たまたま居合わせたので助けに入ったというものであった。
最初は双方の事情を聴いてからの方がいいかとも思ったが、
如何にも見た目が悪党そのものだったので、とりあえず殴ってしまえの精神で一人を軽くノックアウト。
その後は当然のように山賊たちはいきり立ち、湖張に敵意を剥き出しにする。

ただその状況は湖張がわざと作ったようなものであった。というのも相手の敵意を自分に向けさせることが目的であったからである。
その結果、数メートル後ろに下がることで山賊も自分を追って襲っていた男性たちから離す事が出来きた。
その間に回り込むように移動して男性たちをかばうかのように前に立ったレドベージュ。

それを確認すると湖張は目にもとまらぬ速さで近づき、黄色い服の山賊の腹を下から突き上げるように蹴り飛ばすとレドベージュの方に飛んで行ってしまった。
それがさっきの状態である。

「このヤロウ・・・」
あっという間に二人がやられたので嫌な汗を掻きながらも、引くに引けない状態の山賊。
一方湖張はとても冷静である。
「残り二人か」
そう呟いた後に、今度はゆっくりと歩いて近寄る。

「ヤロウ!」
緑の服の山賊がサーベルを上から大きく振り上げるが、その隙に湖張は相手の腹部に正拳突きを決める。
膝から落ち、そのまま倒れこんで気を失う山賊。
「な・・・なんだコイツ」
圧倒的な湖張の強さにたじろぐ最後の山賊。数歩後ろに下がり、今にも逃げ出しそうな雰囲気を出し始める。

「ん?逃がさないよ?」
悪びれない澄ました顔で左手を山賊にかざす湖張。そして一言「サンダーボルト」と呟くと、長い稲妻が山賊の体を突き抜けていった。
その結果、声を出す暇もなく後ろへ倒れこむ山賊。
そして助けられた男性二人は助かったにもかかわらず、圧倒的な力の差に言葉を失っていた。

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