ファンタジー小説「Peace Keeper 赤き聖者」第六十五話【部屋に戻って自由時間】

           

「うん。やっぱりコレ、中々良いじゃない」
購入した外套を身に纏い、宿屋の部屋で振り返ったり軽く体を動かしたりしながら動きやすさを確認している湖張。
「うむ、似合っているぞ。ただまだ強度を上げる魔法は掛けていないからな。破れたら元も子もないからあまり無茶な動きはするでないぞ?」
「分かってるって」
「何処か動きに干渉する部分はあるか?」
「ううん、今のところ平気」
「そうか、先ほど水を掛けた部分はどうだ?」
「全然濡れていないよ。冷たくもないし成功しているね」
湖張の姿を見ながら外套の具合を確認するレドベージュ。心なしか彼も楽しそうである。

現在は夕暮れ時で、外は暗くなり始めており夕食前の一時を各自は自由に過ごしている最中である。
メーサ教の騎士を治療した後に部屋に戻ると、当然のようにメーサ教はとにかく怪しいという話になった。
あの魔物は特殊な魔法の掛かった槍だと簡単に倒せるように作られており、メーサ教を布教するために槍と共に作られたのではないかと考えられる。
しかしながらハルザートやその他の騎士達は悪人という風には感じられず、むしろ行動や言動を見ると善人にすら見えてくる。
なので何か悪だくみをしているのは教団の上層部で、信者達は騙されているだけの善人なのではないかという説も考えられたが、それも何か違う感じもする。

そこで折角メーサ教について詳しく書いてある正典が手に入ったのだから、それを読んで実態を知ろうという流れになった。
そして今現在、正典を読んでいるのはラナナである。というのも読書が好きという事もありまずは読んでみたいと名乗りを上げたからだ。
彼女が読書をし始めると、凄い集中力で読み始めた。なので邪魔をしてはいけないと感じ、その間に湖張は預けてあった外套を取りに行ったり昼食を買いに行ったりしていた。

湖張が戻ってからというと、簡単に昼食を済ませて再びラナナは読書に戻る。彼女は何かメモを取りながら読んでおり、分析もしているようなので普通に読み進めるよりは時間が掛かっているようだ。
なのでその手が空いている間にレドベージュは購入した外套に防水の魔法を掛けていた。
そこでちゃんと魔法が機能しているのかを湖張と共にチェックをしていたところである。
しかしながら強度を上げたり防寒にする魔法を掛けるには時間が足りないので、まだ未完成の状態ではある。

「ふう、読み終わりました」
湖張たちが外套の調整をしている中で本を読み終えたラナナは正典をパタンと閉じて机に置く。
その様子に気づいた湖張とレドベージュは彼女のそばに寄って来て話しかける。

「お疲れ様、どうだった?」
「そうですね、まずこの中身なのですがメーサ神についての説明とメーサ神の神話が記されていました。
その次にメーサ教について説明があり、最後に入信した時のメリットを伝えるというか勧誘でしたね」
「そうすると、メーサ神がどういう神なのかが書いていたって事?」
「はい、なんでもメーサ神とはこの世の悪に立ち向かう正義の神様なんだそうですよ。
そして力の源は人々の祈りとの事です。なのでメーサ神に祈る人が増えれば増えるほどメーサ神は強くなるらしいです。
更には強大な敵と立ち向かう時は戦神クーシャに姿を変えて、強力な力を持って相手を滅ぼすらしいです」
「何それ、穏やかじゃないね」
「そうですね、言葉は少し強いかもしれませんが、正典を読む限り悪に立ち向かう正義の神様なので頼もしいという印象が持てる文章でした。
そして注目する部分は祈る人が増えれば増えるほどメーサ神の力が強くなるという部分です。
この部分があるので、メーサ教は信者を増やそうとしているのかもしれません」

「するとメーサ神を強くするために信者を集めているという事?偶像なのに?」
「その様です。というのもそれは次のメーサ教についての説明の部分が影響してきます。
なんでもメーサ教というものは、この世に存在する理不尽をメーサ神の力で排除しようという考えらしいのです。
例えば魔物退治なんかはその最たる例ですね。理不尽に襲ってくる魔物を排除しようという考えの下に行われているようです」

「え?でもそれって戦っているのはメーサ神ではなくって騎士達だよね?」
「メーサ神を信仰し、意思を理解した騎士が魔物を倒す事はメーサ神が魔物を倒す事と同義という考えの元に結成されたのがメーサ教騎士団らしいですよ」
「何か凄いこじ付けだなあ」
「まあとにかく、彼らとしては信者を増やす事でメーサ神の力が増すので自分たちも強くなり、より強力な脅威とも立ち向かえると考えているようです」

「なんのこっちゃ?大体あの硬い魔物だって結局は魔物と槍に細工があった、いわばヤラセだったわけじゃない?
祈りがあっても自分たちの強さが増す事なんてないじゃない」
「そこは強さの解釈の仕方ですね。強くなるという事は何も自分自身の技量が上がるだけではないと正典ではされています。
強い武器を与えられ、扱えるようになる事も強くなるという事だそうです。
実際のところ、騎士達が与えられている槍はメーサ神の聖槍と呼ばれ、メーサ神の力が宿っているとされています。
そしてそれは認められた信者にしか授けられない物らしく、授けられた者は槍の力により、ありとあらゆるものと戦えるようになるとされています」

「要するに槍を貰えば強くなれたと思っているという事?」
「まあそんな感じでしょうね」

「なんだかなあ。というか槍の秘密を知っているのかな?」
「それはどうでしょう。私も最初は知っていた上でのヤラセだと思ってはいたのですが、
この正典を読んだ後ですと違う可能性もあり得るのではないかなと思えるようになりました。
騎士達も槍にはメーサ神の力が宿っているから硬い魔物を貫けていると考えているのかもしれません。
更に言えば正典によるとあの槍はメーサ神への祈りが増えたから開発が出来たと記されており、
祈る人が増えれば増えるほど、メーサ教のトップである教王(きょうおう)に啓示があって槍の作り方を授けられてどんどん強化された槍が開発されていくそうです」

「槍が開発?」
「はい、その時その時によって必要な効果は変わっていくので、時代に合う効果を持った槍を開発しているそうです。
なので新たな脅威に立ち向かえる強い槍を求めるのならば、祈る人を増やして教王に啓示がくるようにしなくてはいけません」
「じゃあ何?結局のところ信者を増やしている理由は強い槍を開発するためだという事?」
「うーん、まあそれもあるのでしょうが、でもやはり先にも述べた通りメーサ神の強化が一番でしょうね。
メーサ教の根底にはこれからの未来に人の手では太刀打ちできない様な脅威が出現した時、メーサ神に守ってもらおう。
そしてその時が来る前までにメーサ神を出来るだけ強くして備えておこうというものです」

湖張とラナナのやり取りをそばでじっくりと聞いていたレドベージュ。
ここまでの内容を聞いて湖張が少し考え事をし始めると、彼はラナナに問いかけをする。

「ラナナとしては信者を集める理由はメーサ神を強くするためが一番の理由と考えるか?」
「と、いいますと?」
「いや、少し引っ掛かる部分があってな。
確かに末端の信者はその理由かもしれぬ。しかし教王と言ったか?その者は果たしてそう考えているのであろうか?」
その言葉を聞くと深く息を吐いて少し考えた後に言葉を放つ。

「なるほど、そっちの方の・・・汚い部分の話ですね。
確かに私もその方面の事を考えたのですが・・・実はお金になりそうな内容があまり思いつかなかったのですよ」
「うん?お金?」
ラナナの言葉に反応する湖張。すると頷いて反応をするラナナ。

「はい、こういうのって純粋で信じやすい方を騙してお金を巻き上げるパターンがあるのですが、
正典を読む限りはお金の臭いがあまりしないのですよね。
例えばメーサ教に入信するじゃないですか?
だからと言って寄付は強制ではなく、一生払わなくても問題ないそうです。逆に教団の為に働いた者に対しては報酬を与えているそうです。
また、入信したとしても何か生活の縛りがあるわけではなく、ただ定期的にメーサ神の事を思い、祈りを捧げるだけで良いそうです。
しかも一定以上の信者がいる町や村は定期的に騎士団が訪れて治安を守ってくれるそうです。
この内容からはとてもじゃないですが、お金儲けは難しいです。
むしろ直ぐにでも破綻しそうまであります」

「ふむ」
ラナナの話を聞くと考える様子を見せるレドベージュ。
同じように湖張も少し考えてから言葉を発する。
「でもさ、実際にやっていけているのであれば絶対に何かしらの金策があるんじゃないかな?人が動くという事はお金が掛かるということだもんね?」
「ええ、そうだと思います。何か経済を牛耳るような資金が潤沢にある組織があって、それが後ろ盾になっているとか・・・
そうか、信者が多くなったら世論を操作する事が可能になるから、それによって莫大な利益が生まれるので
今はその準備段階で投資の最中なのかもしれません!」

話の途中で何かに気づき、目を大きくしながらそう語るラナナ。
するとレドベージュはゆっくりと顔をラナナに向ける。
「ふむ、その予想は十分にあり得るな。それでいて危険でもある。
確かに信者になったとしても行動も金銭的にも負担は無く、更には住む場所も守ってもらえる。
こうなると信者はどんどん増えていくであろう。それで気をよくした段階で世論の操作をしかけたら経済は大きく動かされるな。
下手したら国も動かしかねん」

「ねえ、それが本当だったら相当ヤバイんじゃない?」
湖張がそう二人に問いかけると頷くラナナ。
「はい、これは良くないですよ。とは言ったもののまだ私の憶測の段階で何の証拠もないのでどうしようもないですし、取り越し苦労になる可能性もあります。
それに世論を動かすほどとなると、かなりの人数を信者にする必要がありますので非現実的な部分もあるかもしれません」
「うむ、確かにそうでもあるな。だが警戒もした方が良い。兎にも角にも更に深く調べる必要はあるな」
「はい、そうしましょう。このままだと信者は老若男女問わずにどんどん増えていきそうです。この正典ですが、正直なところ良くできていますよ」

正典を片手で持ち上げてラナナがそう言うと、湖張は不思議そうな顔を見せる。
「そうなの?」
「はい、読む前は胡散臭い事が掛かれているのかと思っていたのですが、実際に読んでみたところ結構考えられて作られていました」
「うん?どういう事?」
「例えば、一見したら分厚い本で読みづらそうなのですが、実際のところは文字が大きく難しい言葉も使っていないのでかなり読みやすいです。
それに物語形式に作られていて、正直なところ神話の部分は面白い冒険ものの小説を読んでいる様な気になってきました。
文章の作りも上手いですね。飽きない文章が続いていて次から次へと読みたくなるような形です。
そして勧誘の部分も入信する事によるメリットが分かりやすく書いていますし、軽い気持ちで始めても良いかなと思う人は多そうです」

「うーん、そうなの?」
疑いの眼差しで正典を見つめる湖張。
「まあ一度、読んでみてくださいよ。ざっと読むくらいでしたら直ぐに終わりますよ」
そう言ってラナナは正典を手渡そうとすると、湖張は首を横に振る。

「あーとりあえず今日は日も暮れたしいいや。先にレドベージュが読んでよ。私たちが寝ている間に読むと暇つぶしにもなるでしょ?」
その話を聞くなりレドベージュはラナナの前に手を差し出して正典を受け取ろうとする。

「うむ、確かに夜中の読書は良い案ではあるな。有効な時間の使い方だ。今日は外套に魔法を掛ける仕事もあるので退屈せずに済みそうだな」
その話を聞くなり正典をレドベージュに渡すラナナ。そして彼をジッと見つめる。

「む?どうかしたか?」
その視線に気が付いたレドベージュがそう問いかけると、ラナナは少し考えた後に答える。
「あの、夜中の退屈しのぎでしたら実はお願いしたいことがあるのですが良いですか?」
「とりあえず話を聞こう」
「実は硬い魔物の皮膚のサンプルが多めに欲しいのですよ。
魔物ですが数が多かったのでまだ町の外に放置されていると思います。
ただそこからサンプルを回収しているところを誰かに見られると、それこそメーサ教の人に見られると怪しまれると思いますので、
人の目が無くなる夜中にこっそり取って来て欲しいのです」

お願いの内容を聞くと頷くレドベージュ。
「ふむ、確かに我が持っていたサンプルは先ほど槍で刺して穴を開けてしまったからな。変わりは必要ではあるな。
ただ多めになのか?」
不思議そうに彼が質問をすると、ラナナは真剣な顔をして答える。

「はい、多めにとはいっても手のひらサイズを5枚ほどで大丈夫です。
と言うのも、槍を手に持った感覚を基に槍に掛かっていた魔法を再現してみたいのですよね。
成功しているかしていないかはサンプルが無いと判断できませんし、皮膚自体の解析もしてみたいです。
そして研究をする事によって、ひょっとしたら硬い魔物を柔らかくすることが出来るかもしれません。
そうすると簡単に退治が出来るようになります。
今後、メーサ教と関わっていくのでしたら容易に硬い魔物を倒せるようにしておいた方が得策かと思います」

「ふむ、確かに槍に掛かっていた魔法を解析する事であの厄介な硬さに対処出来るのであればありがたいな」
ラナナの考えに賛成を見せるレドベージュ。
「そうだね、あの硬さをどうにかできれば良いよね。正直なところ今日はメーサ教の騎士があの場に現れなければもっと怪我人が出ていたと思う。何とか形にしたいね」
湖張も同様に魔法の解析を進める事は今後の為になると感じたのでそう言葉に出す。
するとラナナは湖張の顔をジッと見つめてから質問をする。

「湖張姉さまはあの槍の魔法、どのようにお考えです?」
「うん?どのようにって?」
「実は解析や研究と言ってはみたものの、まだ何をどうすれば良いのか分からないのですよ。
なので何かしらの足掛かりにもなるかもしれませんので、どんなことでも構いませんので他の人の意見も聞きたいと思いまして」
「えー・・・それを私に聞く?」
「何を言っているのですか。湖張姉さまの魔法に関する感性はとても凄いじゃないですか」
「買いかぶりすぎだよ」
「そんな事は無いです」
何かしら参考になるような事を期待されている様なのだが、それがプレッシャーに感じる湖張。
少し触っただけの槍から感じた妙な魔法を思い出しつつ、しばらく考え沈黙する。

「トーン、テテテテトン」
突然そう呟く湖張。感じた魔法を思い出しイメージしていたら無意識のうちに感じたままのものが口に出ていた。
その直後に素っ頓狂な事を言ってしまったと一瞬焦るが、意外にもラナナとレドベージュは頷いていて納得をしたかの様子を見せている。

「そう!そうなんですよ!本当にそんな感じですよね!?」
「うむ、確かにそんな感じで魔力が強まったり弱まったりしていたな」
「良かった、変な事を口走ったと思ったけれど二人が同調してくれたのであれば間違いじゃないって事だよね?」
湖張が苦笑いでそう言うと、頷くレドベージュ。

「うむ、まずはそのような感じの魔法を真似るところから始めてみると良いのかもしれないな」
「そうですね。ちょっとやってみましょう」
レドベージュの方針に同意をするラナナ。
と、その時である。窓の外から男性の何かを宣伝しているかのようなハッキリとした声が聞こえてくる。
何事かと思い窓を開ける湖張。そして見下ろしてみるとメーサ教の騎士が人々の前で演説をしている姿が目に入ってくる。

「いいですか皆さん、ここ最近の魔物の暴れようは我々人間に大きな災いが降り注ぐ前触れでもあります!
このままでは更なる災いによって被害を被るでしょう。
その時の為にメーサ神に祈りを捧げてください!
今日の戦いのようにメーサ神に祈れば奇跡が起きて災いを振り払う事ができます。
お金はかかりません!ただ祈るだけで大丈夫です!
あなたの祈りが力になります!また、我々はメーサ神を信仰する方は身を呈して守ります。
信者が多い村や町は定期的に我々メーサ教騎士団が巡回して治安を守ります!
興味がある方はここに概要を書いたパンフレットがあります。
更に詳しくメーサ教について知りたい方には正典もお配りしております。
是非、我々にお力をお貸しいただきたい!」

「・・・うわあ、胡散臭い勧誘やっているよ」
外の様子を見て呆れ顔でぼやく湖張。ラナナも小さい溜息をつきながら外の様子をジッと見ている。
彼女的にも胡散臭いと感じている様子だ。

「確かに怪しい感じはしますけれども、人々は強い関心を持っている事も事実ですね。
次から次へとパンフレットや正典を貰いに行っていますよ」
ラナナの言う通り、町の人々は騎士に群がるように資料を貰いに行っている。
今日の事もありすっかりメーサ教に関心を持ってしまった人が多いようだ。

「ふむ、目の前に現れた強い魔物をあっという間に倒し、更には今後も無料で守ってもらえるとなると
確かに祈るくらいならばやっても良いと思えるのかもしれぬな」
「なに感心しているのよ」
レドベージュが呑気な事を言っているように受け取れたので、呆れた目で湖張がそう言うと、彼はゆっくりと首を横に振って否定をする。
「別にそういうつもりは無いのだがな。ただこれで人それぞれ度合いは違えど信者は増やせている様子だ。
これが奴らのやり方という事は間違いなさそうではあるな」
「そうだね、これは早いところ魔法の解析をラナナにやってもらって勧誘に歯止めを掛けないとね」
「うう、プレッシャーですね」
湖張の発言に頭を抱えるラナナ。その様子を見た湖張は苦笑いで話しかける。

「あはは、冗談だよ。それにまだメーサ教の真の目的は分からず憶測だけが先走りしてる状態だから、
ひょっとしたらそんなに大きな問題じゃないかもしれないじゃない。
無理に焦る必要は無いよ。
更にはその魔法だけではなく、やっぱり自分自身を強くして魔法が無くても対処が出来る位にしないといけないもんね。
もし魔法が無くてもどうにかするくらいの準備はしておかないとね!」
「うむ、確かにその通りだな。頼みの綱は一つより二つの方が良い。
魔法の解析と同時に各々の強化も心掛けねばなるまいな」
「よし、私も頑張ろう」
レドベージュの返しを聞くと妙にやる気が出てくる湖張。思わず張り切った様子になる。

「さて、我も今夜はやるべき事がたくさんあるな。忙しくなるぞ」
やる事が満載になったので湖張と同様に張り切るレドベージュ。心なしか楽しそうである。
先ほどまでは何とか姿を見せていた夕日ではあったが、話をしているうちに外の主役は星空に変わっていた。
決して本日の戦果は芳しい物ではなかったが、次に繋がる事もあったので、三人の雰囲気からは明るいものが感じ取れた。

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